毎日送られてくる沖縄キャンプレポート@YouTubeでガンバ不足を補っています。誰がいて、誰がいないか、誰が楽しそうで、誰が緊張しているか、チェックに忙しい。
 とりあえず(本当は緊張しているんだろうけれど)福岡選手とウェリントン・シウバ選手がやたらと楽しそうで、意外なことに福田選手がなんかもう疲れているみたいだなってことはチェック。新加入選手はみんな「ザ・緊張」でこわばっていて、いやいや、そこまでわかりやすく緊張せんでもいいから、と肩を叩きたくなる。あと、セジョン選手が「今年はやったるで」の雰囲気を漂わせていて、それも期待を盛り上げてくれます。
 今年のキャプテンは誰になるのだろうか? 私は倉田選手を指名したいところ。でも、昌子選手かもなー。そろそろ三浦選手を解放してあげて欲しいような。

 キャンプレポート見ながら、ふと思い出したのが、合宿とかキャンプって辛いこともいっぱいあるけれど、楽しい思い出もいっぱいだなということです。
 私は高校生くらいまでほんっとに運動神経がなくて、不器用で、体育嫌いで、体育の時間になると緊張してこわばって、だから余計にできなくて劣等感いっぱいでした。でも、からだを動かすのは好きだったし、運動で汗をかくことは楽しかった。速く走れなくても、高く跳べなくても、ダンスなんかまるでリズムが取れなくても、ボールがまるで違うところに飛んでいってしまっても、笑えるほどからだが柔軟じゃなくても、からだを動かすこと自体はとても楽しかった。そして、「楽しい」という記憶をからだに染み付かせることが重要だなと思うのです。
 体育の評価が、通信簿で10段階で6とかだった私だけれど(体育に6以下の評価はつかなかったので、つまりは最低の成績ってこと)、今もウォーキングに太極拳に筋トレに、とからだを動かすのに忙しいのは、楽しかったという記憶があるからこそ。
 だから子供たちに運動とかスポーツを教える人たち、もしくは体育が得意なエリートたちに言いたい。
 どれほどドンくさくても、どれほど下手でも、それを馬鹿にして笑ったり、できないことを叱ったりしないでほしい。
 うまいとか下手とか、そんなことはどうだっていい。形ができなくても、すぐに疲れて座り込んだりしても、あたたかく見守ってあげてほしい。ただただ「からだを動かすのって、ほんと楽しいよね」ということを記憶させてあげること。それが大事なんじゃないか。
 私はどこで楽しいことがすり込まれたかを毎日考えていて、思い出したのが小学5年生から参加していたガールスカウトのサバイバルキャンプのこと。あれは11歳の子供に体験させるには酷じゃないですか、というほどのサバイバル訓練でした。11歳から16歳までの女子だけで(女子大生のインストラクターはついたが)、テントを張り、炉を作り、(晴れていれば)マッチを使わず火を起こし、近所に流れる川の水が飲めるかどうか水質を確かめた上でわかして飲み水を作り、なんといってもトイレも自分たちで作ったこと。
 あの4泊5日のキャンプで、ひたすら自分のからだを使って「生きる」ことを学んだような気がします。何年か続けて毎年キャンプに参加するうちに、「そうか、からだって生きるために使うんだ」という当たり前で根源的なことがわかってくるのです。そしてそれが、めちゃくちゃに疲れるけれど、めちゃくちゃに楽しかった。
 もう二度とやりたくない、来年はもう行かない、と思いながら、重いリュックを背負って帰ってきて、解散式でなぜかみんな抱き合って号泣し、ありがとう、お世話になりました、とか挨拶し、数日後にまた片付けのために集まって「来年はもっとこのへんを訓練してから行こう」とか反省会をして、翌週から一年後に向けて訓練を始めてしまう。
 速く走る、高く跳ぶ、強くボールを蹴る、うまく踊ることだけが運動じゃない。速く、強く、うまくできる人のためだけに、スポーツはあるのではない。
 からだを動かすのって楽しいね、そして生きるためにはからだを動かさなくちゃね、ということを知るために運動はある、のだと私は思う。

 プロ選手のキャンプとはまるで違うことを書いてしまったのですが、つまり、何が言いたいかというと、そりゃもちろん甘っちょろいことを言ってるんじゃないよ、と言われそうだけれど、何はさておいても「楽しんでください」ということです。
 キャンプが楽しめたら、きっと楽しいシーズンになるはず。そう期待しています。