新刊案内を見るのが半分仕事で半分趣味です。自分がいまどんなことに興味を持っているのかを知ることもできるし、反対に私には関係がない、興味もないと思っていたけれど、実はとても重要なことなんじゃないかと知ることもできる。
 たとえば60代に入った当初に私の視線が止まったのが「終活」関連と「認知症」関連の本なのですが、読みあさってのいまの心境は「老後にどれだけ備えても予想もしなかったことが起きる、なるようにしかならない。とりあえずいまを生き延びるしかない」ということです。60代前半で「老後の資金」「老後の健康」「終のすみか」とか必死に情報を集めて考えたのですが、コロナで引きこもっているうちに「何が起こるかわからないし、そもそも私の老後っていつからと想定したらいいのかがわからない」と気づきました。
 母からもう耳タコくらい聞かされたのが「まさか私がこんなみじめな老後を送るなんて(泣き崩れる)」です。少なくとも金銭面では「老後のために」と備えに備えていて、それほど大きな病気もせず、医者の夫(私にとっては父)に健康面の管理をばっちりしてもらって、恵まれすぎるほど恵まれた環境で80代以降を過ごしていると私は思っているのですが、それは親子といえども他人の娘の私が思っているだけ。母にとっては「予想もしなかったみじめな老後」なわけです。お金はないよりもあったほうがいいし、面倒を見てくれる子どももいないよりはいたほうがいいとは思いますが、なんかそれだけで満足のいく老後生活が送れるわけではなさそうだと気づいたこの5、6年。
 というわけで、老後に関する本にすっかり興味が薄れてしまった私が、趣味の読書で最近読み耽っているのが(というほどではないけれど)宇宙に関する本です。中沢弘基さんの
をコロナ期間中に読んだのがきっかけかな? そして佐藤勝彦さんという宇宙物理学者に出会い、でも結構むずかしくて途中で投げ出していたのだけれど、子ども向けに書かれた
を図書館で見つけて、すごくおもしろかったので増補改訂版は購入しました。
そしてその延長で漫画
に熱中しました。終わってしまってほんと残念。これはヨーロッパでの天動説VS地動説を題材にしているけれど、ぜひ中国やアラブ世界の宇宙観漫画が読みたいなあ……。
 宇宙のことを考えていると、私の老後でうつうつと悩むなんてほんとアホらしくなってきます。夜にウォーキングに出かける前に
をチェックして、上を向いて歩いていれば、思い悩んでいいのは今日のことだけ、と思えてくるのです。