ポヤトス監督は徳島監督時代に「負けないけれど、ドローが多い」という実績があったそうです。開幕2試合ドロー。試合内容は悪くないのに(むしろよいサッカーなのに)勝ちきれない。
 もちろんもどかしさはあるのですが、昨年まで続いた「シュートまで持っていけないもどかしさ」、それどころか「相手陣内に入ることさえできない絶望感」などはなくなり、攻撃の形が見えてきたホーム開幕戦でした。
 驚いたことに前節スタメンフル出場だった杉山選手と、後半に出場した山本理仁選手がベンチ入りもせず。代わりに前節はベンチ入りもしていなかったファン・アラーノ選手とジェバリ選手が出場しました。ジェバリ選手は後半途中、鳥栖が攻勢を強めてきて同点に追いつかれてからの出場。それなりの存在感を示したけれど、得点まではいたらず。
 前半にオフサイドで取り消された鈴木武蔵選手のゴールでしたが、なにくそって感じで2点目をしっかりビューティフルに決めてくれて、ガンバが先制。
 しかしその後、交代で入った鳥栖の若手(?)樺山選手のメッシ並みの3人を転がしてのスーパーゴールで追いつかれてしまいます。
 勢いづいた鳥栖がどんどん新しい選手を出してきてピッチをワイドに使って攻めてきて逆転されるんじゃないかとはらはらする時間帯があり、かと思うと11年ぶりのホーム開幕戦勝利を狙うガンバが攻勢に転じていい形で攻めこんでいる時間帯もあり、拮抗していましたね。
予想していた「アディショナルタイム11分」は外れて、5分ちょっとでタイムオーバーとなりました。(だが主審、CKのボールセットしたところでタイムアップって、それはエンターテインメント興行の点からどないやねん!)あ〜〜〜私はパナスタのガンバクラップ、3年くらい参加してないよ。
 で、昨日の試合で私に強い印象を残したのがネタ・ラヴィ選手。
 Jリーグ初のイスラエル人選手で、CL出場経験あり、かつイスラエル代表でもあるネタ・ラヴィさんは、先日来日してチーム合流して日が浅いのに、初めてのスタメンですでに指揮官の風格。とにかくボールロストしない。マークしてくる相手を引き付けて引き付けて引き付けてパスコースを作り、最後の瞬間にひょいと思いもかけないところにパスを出す。しかもそのパスが受け手に合わせて強弱ありでうまい。鳥栖の選手が2人がかりでマークしても、ふところにしっかりボールを入れてくるりとからだを反転させてパスを出したプレーにはスタジアムのどよめきを誘っただけでなく、拍手までおきました。
 自分へのパスがカットされるとすかさず追いかけて(しかも執拗に)ピンチの芽をつむところもすごい。ピッチが三次元に見えているだけでなく、試合の流れも読めているんだなあと思いました。ネタ・ラヴィさんのプレーだけでチケット代におつりがきそうです。もっと見たいと思わせる選手は、ヤットさん以来でしょうか?
 武蔵選手が前節とは打って変わってガンガンシュート打つし(しかも全部枠内だし)、山見選手は相変わらず勢いがあるし、ファン・アラーノ選手は最後まで走っているし、ジェバリ選手には期待が持てそうだし、半田選手は決定的ピンチを防いでくれた上に終盤は初めてドリブルで相手ペナルティエリアまでボールを運んだし、25000人の観客からは何回もどよめきや拍手が起こって盛り上がるしで、私も存分に楽しみました。
気温は低くて薄着していったことが悔やまれたり、ドローに終わってもやもやした感じはあったものの、また見たい! また来たい! と思わせるホーム開幕戦でした。