昨年のJ1王者に対して、前期の対戦ではホームで勝利。さて後半戦ではどうなるか。ドキドキで迎えた「上位対決」でしたが、ぎりぎり90+5分のアディショナルタイム、坂本選手の執念のシュートを中谷選手が押し込んで2−2のドローに持ち込みました。
今季何度目かの「ロスタイム劇的弾」です。
押されていて、終始後手にまわっている感があった試合で、もう負けを覚悟したところから同点に持ち込んだことを評価したいと思います。
大迫選手の先制点も、一森選手弾く、中谷選手掻き出す、それを決められるという3度目の正直ゴールでしたが、昨年までだったら1発でやられていました。その前の決定機でも、一森選手のビッグセーブがなければ早い時間に先制点を与えてそのままずるずるとなりかねなかった。ディフェンスの整備があってこそ前半終了間際まで持ち堪えたのだと、ドローに持ち込んだいまだからこそいえます。
そして後半。
宇佐美選手のあのゴール。あの足の振り、DFとGKの間を通すあのシュートコース、ボールのコントロールされたスピードと弾道、すべてが完璧。このゴールシーンを何回も見直しましたが、何回見ても惚れ惚れします。
なんといっても力みがない。力みがあるとペナルティエリア外からのシュートはうまく飛ばない。肩に力が入っていなくて、全身がしなやか。30歳を超えてあのシュートが打てるのは、やはり宇佐美だからかな。
そして神戸の圧がぐっと強まり、右サイドを崩されて(この試合だけでなく、柏戦でも右サイドの守備が気になりました。柏戦では山下選手がずいぶんと守備に貢献していたけれど、守備に追われてしまうために山下選手の攻撃が機能していなかった)宮代選手にトリッキーなゴールを決められてふたたびビハインド。
ところがドラマが待っていました。
ロスタイムに入ってCDFもあがるパワープレーに出たガンバ。坂本選手の、体幹が強い人でなければできない、からだを回転させる力を使ってのシュートがなぜか最前線にいた中谷選手にあたってゴール!!!
試合終了ホイッスル後、ピッチに崩れ落ちてうなだれて頭をふる神戸の選手に対し、ガンバの選手たちは笑顔こそなかったけれど、充実した表情で引き上げていきました。

この勝ち点1は、同じドローであっても、中断明けから続くドロー沼を抜け出す力を与えてくれるのではないか。
そう期待して次節を楽しみに待ちます。