ガンバが4年ぶりに天皇杯決勝に進出し、9年ぶりにタイトル獲得のチャンスがめぐってきたとわかった日から、ほぼ毎日あちこちの神社におまいりして、どうかいい試合になりますようにと手を合わせてきました。同時に対戦相手の情報や、ガンバの選手コメント、プレビューなどの情報はいっさい遮断。私にできるのは応援あるのみと2時間前到着をめざして新国立競技場に向かいました。
決勝日和の秋晴れで、気温も風力もサッカー観戦にぴったり。関西勢同士の対戦となったにもかかわらず
、チケットの売れ行きもガンバ側3万1000枚、神戸側2万4000枚と上々。観客数は6万2837名と天皇杯決勝で最多だったそうです。ガンバのゴール裏は3層までぎっしり。私はバックスタンドだったのですが、ガンバ側は満席でした。舞台は整った、という感じで14時キックオフを迎えました。
ただ、ガンバのエースで、今季、ガンバを名実ともに牽引してきた宇佐美貴史は練習中のハムストリングの怪我で離脱。私がそれを知ったのは同志からキックオフ2時間前に送られてきたメールで、でした。でもガンバサポすごいな、と思ったのは、1時間半前の決起集会から、宇佐美のためにより応援に力を入れようとものすごい盛り上がりだったことです。選手コールのときも、最後に宇佐美のチャントが歌われて、私の隣にいた中学生女子数名が悲鳴のような大声で歌っていました。ユニは山田と山下と一森だったけれど(苦笑)
そして内容はといえば、とくに前半はガンバのペースで、左サイドの半田と山下、右サイドの黒川と倉田で攻撃の基点を作り、そこに山田と坂本がからんでチャンスを作り、ガンバの応援席をわかせました。惜しまれるのは、最後のフィニッシュが甘かったこと。強力CFの不在に泣いた今季を象徴していたかも。あの時間帯にゴールが生まれなかったことが敗因だったと、いま振り返ると悔やまれます。(あと後半に押し込んだ時間帯でのダワンのシュートがもう20センチ内側だったらとか、たらればを言えばきりがない)
後半は、前半にほとんどシュートが打てなかった神戸が井出に替えて佐々木を投入して、ガンバ側のとくに左サイドを無効化する手を打ってきたことにより、攻撃の基点がうまく機能しなくなりました。そしてペナルティエリア内で武藤→大迫とつながれて、いったんは防いだものの後ろから走り込んだ宮代に蹴り込まれて失点。
終わってみれば、神戸の枠内シュートは前後半通してこの1本だけで、あとはシュートまで持ち込ませなかったし、中盤でパスカットするとか、守備でもガンバはよく連携がとれていて走れない選手がいなかった。準備はよくできていたことを感じました。昨季までだったら後半だけで3失点くらいしてたかも。失点のあの瞬間はひと晩眠って頭から追い出したつもりだったのですが、これを書きながらスロー再生してみました。あれは神戸のさすがの攻撃だったとほめるべきかな。
リーグ戦はあと2試合残っているので、今季の振り返りには早いのですが、それでもあえて言わせてもらえれば、今季のガンバはここ数年と比較するとはるかに魅力的なチームになったと思っています。チームを牽引してきた選手として目立っているのは宇佐美と中谷でしょうが、チーム全員の個の力も、チーム全体のチーム力もかなりアップしたからの成績です。それは守備のやり方が整理されたことが大きいし、攻撃では山下のスピードとウエルトンの重戦車ぶりが基点から基線へと進化をとげたことが大きい。決勝戦はガンバのそんな今季の成長がしっかりと示された、という意味でいい試合でした。
それでも負けは負け。いつも新国立競技場から渋谷か代々木公園まで少し遠回りしながら1時間ほどかけて歩いて帰るのですが、昨日は足が重く帰り道が遠かった。
来年は足取り軽く、心弾む帰り道になりますように。
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