私の周囲では本職のほかに副業を持つ人や、退職後しばらくしてパートについた、という人が最近どっと増えた。っていうか、この半年会った年齢は50代から70代までの方たちの大半が、本業以外の仕事を始めたり、パートに出たとか言っているのだ。
「休みの日に別の仕事をしている」「70代でもOKといわれて週3回パートに出てる」「ネットで⚪︎⚪︎を販売する副業を始めた」などなど。
全員の共通項が、女性であること。
その動機はさまざま。
「今の仕事がいつまでできるかわからない。そもそも今の私の職種があと5年後に残っているか、がわからなくて不安。だからほかの仕事をやってみようと思って」
「本業以外に別の職種の技能を身につけておく必要性を感じて」
「人手不足といわれ、私みたいな後期高齢者にまで声がかかって5年ぶりにパートに出ている」
などなど。
でも、さまざまなようでいて、副業やパートを始めたきっかけはコロナだ、という点も全員に共通している。
なかに「コロナのときはエッセンシャルワーカーとか言われて、私もその気になっていたけれど、収束に向かうにつれて要するに使い捨てされているだけじゃないかと思えて、仕事への意欲が減退した。もっとほかに自分が必要とされているところがあるんじゃないか」と思って休日にまったく別の仕事をしている、という医療関係者もいる。
もちろん動機のひとつに経済的不安はあるだろうが、それ以上に「仕事」に対する考え方や価値観が2000年代に入って変化していることがあるのだと思う。コロナがその変化を一気に加速した。AIの普及もある。「私のやっているこの仕事は明日にはAIがやっているだろう」と思えば、別の職種を求める切羽詰まった気持ちになろうというもの。
実は私も60代後半にパート募集のチラシや貼り紙に必死に目をこらして、応募したこともある。でも、そのときは年齢を理由に断られた。いま振り返ると、年齢だけが理由ではなかったとわかる。向き不向きとか実績とか経歴とかに加えて、そもそも本気でこの仕事をやる気があるのか、と疑われたのだろう。
過去の「栄光」を後ろ盾に現役時代の実績を振り回し、周囲に迷惑をふりまく高齢者にはなりたくないけれど、少なくともまだまだ元気のあるうちは「仕事」をしていきたい、と私は思っている。
友人たちの副業やパートの話を聞くたびに、その思いはますます強くなっている。
そのために必要なのは、謙虚さと気力活力ですね。現役時代のことはもう過去において、時代の変化に自分は遅れていることを自覚する謙虚さを持ちながら、仕事を続けていきたいです。