私はこれまで常々「別に私はイケメンが好きってわけではない」と言い張っていた。
ガンバサポというと、たいてい「宮本ツネさんってイケメンだもんな」とか言われて、そのたびにカーッと頭に血が昇って「違う! ガンバがガンバだから好きなんだ!」とか言い返し、「なんでそんなに逆上するんだ? やっぱりイケメンが好きなんだろう」とからかわれてますます腹が立つ、ということを繰り返してきた。(ツネさんはイケメンですよ、まちがいなく。一応、言い訳しておきます)
次女が韓流スターにはまって、「イケメンすぎる〜〜」とか目をハート形にするのを横目を見ながら、「もうね、ママくらいの年齢になると、外見じゃなくて中身を見るのよ。イケメンだけじゃダメだ」とかなんとか何が言いたいんだか娘にはもちろん、自分でもよくわからないことを言っていなしていた。
ところが、である。最近私は気づいたのだ。
私、イケメン好きかもしれない。
訂正。私はイケメン好きです。
気づいたのは先日、ウォーキングで出会った野菜直売所での出来事である。
住宅街の一角にあるレストランの一軒が、コロナ禍の影響で昨年夏前から契約農家の野菜の直売を始めた。初めのうちは一週間に2〜3日ほどのファーマーズマーケット風だったのだが、今年緊急事態宣言が出てからはほぼ毎日店を出すようになった。スーパーには置いていないような野菜が、割りに安価で手に入ることもあって、ファーマーズマーケット風のときから私はよく通っていたし、客もついていた。
そして、販売しているお兄さんたちがイケメンであることも、人気の一要因だと気づいたのが先日。
私は一週間に1回はウォーキング途中に立ち寄って野菜や果物を購入していた。ファーマーズマーケット風のときからである(古い(?)馴染みの常連客であることをここで無駄に強調している)。
先日、夕方に立ち寄ったら、なんと先客の集団がいる。しかも20代から30代のおしゃれな女子たちだ。集団っていっても、2人連れ、3人連れが1、2組ずつ。そして、はしゃいでいる。スマホでお兄さんたちと写真撮ったりしている。
「私、野菜好きなんですぅ❤️」「私も野菜中心の食事してますぅ❤️」と女子たち。
「お料理なさるんですね。すごいな」とお兄さん。
「今度、野菜料理を教えてくださいよぉ❤️」(というような意味のことを言っていた)
「いいですよ、今度レシピをお渡ししますよ」とニコニコ嬉しそうなお兄さん。
「作っている畑の見学に行くのもありですか?」というような意味ありげな誘いをかける積極的な女子もいる。
そして私はといえば、そういう会話を聞いたとたんに、ムカーッとしたのだ。ムカーッとしたからといって、すぐに立ち去ることもできず、お兄さんたちの誰かが気づいてくれないかな、と貼り付けたような笑顔を浮かべて遠巻きにうろうろする。そういう恥ずかしいことをする自分にまた腹が立つ。
結局、お兄さんたちは私に気づくと、爽やかな笑顔で私に軽く会釈をして「少しお待ちくださいね」とかなんとか気遣いの言葉をかけ、そのそつのない対応にますます恥ずかしさと苛立ちが募って、「また来ます」と言ってその場を立ち去った。女子たちは「あ、すみません。どうぞ」とかそちらも気遣いの言葉をかけてくれたのだけれど、それにもまた腹が立ったりして。
そして時速6キロの速度でカッカッとウォーキングしながら、一人胸中にツイート連続投稿。
「見つけられ初めて気づいたイケメンかな」
「私だけと思っていたイケメンのほろ苦さ」
「買いたいのは野菜でなくてイケメンか」
「イケメンの笑顔は栄養アップする」
「野菜炒め イケメン思って美味倍増」
注:イケメン=春の季語
緊急事態宣言の延長が発表された昨日、やっぱり野菜直売所に行かなくちゃね、と思った。
外食産業と農家の支援が必要なんだからね、と自分に言い訳したところで、それじゃいけない、自分に正直になろうと決めた夜。
「私、イケメンが好きです。だからイケメン野菜直売所で野菜を買います」
(イケメン野菜直売所で買った野菜で作ると、ご飯美味しいんだわ)
ガンバサポというと、たいてい「宮本ツネさんってイケメンだもんな」とか言われて、そのたびにカーッと頭に血が昇って「違う! ガンバがガンバだから好きなんだ!」とか言い返し、「なんでそんなに逆上するんだ? やっぱりイケメンが好きなんだろう」とからかわれてますます腹が立つ、ということを繰り返してきた。(ツネさんはイケメンですよ、まちがいなく。一応、言い訳しておきます)
次女が韓流スターにはまって、「イケメンすぎる〜〜」とか目をハート形にするのを横目を見ながら、「もうね、ママくらいの年齢になると、外見じゃなくて中身を見るのよ。イケメンだけじゃダメだ」とかなんとか何が言いたいんだか娘にはもちろん、自分でもよくわからないことを言っていなしていた。
ところが、である。最近私は気づいたのだ。
私、イケメン好きかもしれない。
訂正。私はイケメン好きです。
気づいたのは先日、ウォーキングで出会った野菜直売所での出来事である。
住宅街の一角にあるレストランの一軒が、コロナ禍の影響で昨年夏前から契約農家の野菜の直売を始めた。初めのうちは一週間に2〜3日ほどのファーマーズマーケット風だったのだが、今年緊急事態宣言が出てからはほぼ毎日店を出すようになった。スーパーには置いていないような野菜が、割りに安価で手に入ることもあって、ファーマーズマーケット風のときから私はよく通っていたし、客もついていた。
そして、販売しているお兄さんたちがイケメンであることも、人気の一要因だと気づいたのが先日。
私は一週間に1回はウォーキング途中に立ち寄って野菜や果物を購入していた。ファーマーズマーケット風のときからである(古い(?)馴染みの常連客であることをここで無駄に強調している)。
先日、夕方に立ち寄ったら、なんと先客の集団がいる。しかも20代から30代のおしゃれな女子たちだ。集団っていっても、2人連れ、3人連れが1、2組ずつ。そして、はしゃいでいる。スマホでお兄さんたちと写真撮ったりしている。
「私、野菜好きなんですぅ❤️」「私も野菜中心の食事してますぅ❤️」と女子たち。
「お料理なさるんですね。すごいな」とお兄さん。
「今度、野菜料理を教えてくださいよぉ❤️」(というような意味のことを言っていた)
「いいですよ、今度レシピをお渡ししますよ」とニコニコ嬉しそうなお兄さん。
「作っている畑の見学に行くのもありですか?」というような意味ありげな誘いをかける積極的な女子もいる。
そして私はといえば、そういう会話を聞いたとたんに、ムカーッとしたのだ。ムカーッとしたからといって、すぐに立ち去ることもできず、お兄さんたちの誰かが気づいてくれないかな、と貼り付けたような笑顔を浮かべて遠巻きにうろうろする。そういう恥ずかしいことをする自分にまた腹が立つ。
結局、お兄さんたちは私に気づくと、爽やかな笑顔で私に軽く会釈をして「少しお待ちくださいね」とかなんとか気遣いの言葉をかけ、そのそつのない対応にますます恥ずかしさと苛立ちが募って、「また来ます」と言ってその場を立ち去った。女子たちは「あ、すみません。どうぞ」とかそちらも気遣いの言葉をかけてくれたのだけれど、それにもまた腹が立ったりして。
そして時速6キロの速度でカッカッとウォーキングしながら、一人胸中にツイート連続投稿。
「見つけられ初めて気づいたイケメンかな」
「私だけと思っていたイケメンのほろ苦さ」
「買いたいのは野菜でなくてイケメンか」
「イケメンの笑顔は栄養アップする」
「野菜炒め イケメン思って美味倍増」
注:イケメン=春の季語
緊急事態宣言の延長が発表された昨日、やっぱり野菜直売所に行かなくちゃね、と思った。
外食産業と農家の支援が必要なんだからね、と自分に言い訳したところで、それじゃいけない、自分に正直になろうと決めた夜。
「私、イケメンが好きです。だからイケメン野菜直売所で野菜を買います」
(イケメン野菜直売所で買った野菜で作ると、ご飯美味しいんだわ)