Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

装う快楽

もしかするとですね、夏は8月~9月末になったんじゃないですか? もしくは地球全体熱帯化? 

あと1週間でこの暑さがどうかならんと、私は怒るね。怒ってどうなるってもんじゃないけれど、怒るね。 という長い挨拶はさておきまして、早く秋になってほしいですね。私は秋が一番好き。さわやかな秋風が吹く季節が短いと、不機嫌になります。

さて、またまた猛暑の夏になりましたが、昨年、節電もかねて居間を二重窓にしたことのありがたさを毎朝かみしめています。東向きの我が家は、朝日がすごい。6時の時点ですでにぎらぎらの太陽が居間に差し込み、以前は裸足で窓を開けようとしたら大げさでなく窓のそばで「あっちっち」とはねていました。夏の砂浜を思い出しましたよ。

それが二重窓導入以降、盛夏の朝も昼も、居間に入ってもわっとしない。最近は朝、窓もカーテンも開けず、太陽が行き過ぎるまでやり過ごすこともしばしばなので、夜間の冷気がまだ部屋に残り、熱気がこもることが少なくなりました。陽が差し込まなくなる11時くらいにようやく窓を開けるのですが、外側のサッシの取っ手が熱くて握れないことさえあります。太陽光のエネルギーを2枚の窓がガッシと受け止めてはね返しているありがたさを感じる一瞬です。

暑さ対策を施したことと、猛暑に慣れたせいでしょうか、今年の夏は2010年ほど「暑さ、もう無理」感はありません。それよりも、仕事の忙しさのほうが「もう無理」感あり。9月初めからしばし海外出張(→仕事なんだわ。一応)なので、それまでに入稿しておかなくちゃ、でばたばた。出張中は朝から分刻みのスケジュールなんで、ぜったいに仕事は無理(と一応ここで自分もふくめ各方面にくぎをさしておく)。やり残しがないように、と気持ちが張っています。あと10日。乗り切ろう、締切も暑さも!

 

ところで、昨日、「日本クラブユースサッカー選手権(U15)」で、ガンバJrユースが優勝しました。ガンバのことはもう書かないっていうのは、トップチームのことだけだよ、と自分に言い訳して書いちゃう。うれしいなあ。

先ほどJFATVで神戸Jrユースを下した決勝戦を見ました。http://www.jfa.or.jp/jfatv/

いいサッカーやってるじゃないの! さすがマンUカップ準優勝だけはある(きっぱり)得点王の宮森選手も、大会MVPの高木選手もすばらしい! 加えて、中盤の要の岩本選手(だと思う)がすごくいい働きをしていて、ガンバの未来は明るいかも、といきなりころっと思ったのでした。

おめでとう、ガンバJrユース! おめでとうございます、鴨川監督(前にインタビューした)!

 

暑いですねー......って私は言いません。

ええ、ええ、言いませんったら言いません。

「根性焼き」と称して(ちょっとちがうが)、正午すぎまでクーラーを入れないで仕事をしていますよって、いったい何の根性なんだか。こういう人が年をとると熱中症で搬送されて、みんなに「暑いって気がつかないのかしら?」「年よりは困るね」とか言われるんですね。

 

ところで......暑いって言わないけれど、忙しいって言わせて。

この1ヵ月近く、私はものすごく仕事をしている。

自分で言うのもなんだが、この暑さの中でよくやっていると少し自分をホメたい。

何よりもエライと思うのは、朝方にシフトしたところだ。

朝、9時前から机に座って、トイレに立つ以外は8時間ぶっ通しで仕事をしている。

別にそうしたいわけではない。

ただ、間に合わないからやむをえずやっている。

 

問題は、頭はともかく、目がもたないことだ。

紙に書かれた文字を見て、画面を見て、文字を見て、画面を見て、そのうちにどちらもぼやけてくる。

とくにいけないのは、ゲラだ。ゲラ読みはほんとに目が疲れる。500ページのゲラを読み終わったときには、視界がぼやけて、まっすぐ歩けなかった。頭もぼやけたので、冷蔵庫から卵を取り出して、スマホをしまってしまった。流しの前で卵をじーっと見て、自分が何を見ているかまったく意識しないうちに左手の親指で強く押しそうになった。ヤバイね。

今日、1冊300ページをとりあえず入稿したが、明日には再校ゲラが来る。

それが終わるころには、ノートPCを冷蔵庫にしまって、肉の上でメールを打ちそうだ。

 

振り返れば去年は余裕があった。

はっきり言ってヒマだったので、ひそかに「もう私の職業人生は終わった。新しい人生設計を考えよう」とか思っていたのだ。

いっぱい本も読めたし、映画も見たし、飲みにも行ったし、あちこち旅行もした。

もうゲラを読んだり、締切に追われることなんてないだろう、と一抹の寂しさを覚えつつもちょっとほっとしていた。

だが、今年はまた以前と同じペースで仕事をしている。

ありがたいありがたい、ほんとありがたい、と思いつつ、目がかすんだり、腰が痛くなったりすると、「いつまでこのペースで仕事ができるのだろうか」と不安がふつふつとわいてくる。

ま、そんなことが考えられて、こんなブログを書けるようになったってことは、さっき入稿してちょっと余裕ができたからかな。

 

ところで、オリンピックはどうなってるんだ?(→ほとんど見られていない)

今年も毎日書道展に応募し、漢字で入選しました。(近代詩は落選。大学のフランス語の授業で最初に習ったBibi Lolo De St Maroなる民謡を書いて、もし入選したらフランス語学科の友だちに教えて見に来てもらおうと思っていたのですが、残念) 昨日、上野の東京都美術館まで見に行ってきました。 入選作はこちら th_DSC02051.jpg 「思い出すのは、揚柳の渚を過ぎて(湖畔まで馬を走らせたこと)」 という李白の詩の一部を書いています。このほかにも「ヒグラシ、樹間に鳴く」とか「魚竜の夜」とかいろいろ書いたけれど、結局最初の方に書き出したこの1句に決定。 これを書いたときに考えていた(もしくは考えていなかった)ことを私はすごくよく覚えています。なぜか私はどんどん字が大きくなる、というか1文字目が大きくなってしまい、2文字目をまたその1.5倍くらいで書くので、余白っつーものが消えてしまうし、2行目が入る隙間がなくなってしまいます。なので「余白、余白」と呪文のように唱えながら紙を毛氈の上に広げ、しばらく精神を集中しているうちにまたもやすっかり忘れ、書き終わってから眺めたら、あら不思議、今までで一番白いところがある作品でした、というわけ。 一番苦労したのは「過」の字のバランスでしたが、この作品に関してはもうなんかそんなのどうでもいいやーと書いたらこうなった、と。何も考えないで書けるところまでもっていくのに時間がかかっちゃうんですけれどね。 いまのところ、作品を仕上げていく過程がものすごく楽しいので(まだ苦しみはあまりない)、このまま楽しくやり続けて行ければなあと願いつつも、きっと壁にぶつかるときがやってくるんだろうなあ、と少し恐い予感もしています。 でも、入賞もしたことだし、またがんばって書いていこう!

気がつくと7月1日から更新が止まっていました。はー、すみませんってあやまるほどのことではありませんが。 その間、1冊入稿し、米子に取材に行き、大阪にも取材に行き、試合も見たし、そのほか相変わらずの日常生活を送っておりました。 入稿した本はオリーブオイルについての本です。 "Extra Virginity The Sublime and Scandalous World of Olive Oil" Tom Muller オリーブオイルは健康にいい、それはなぜか? とか、オリーブオイルにまつわる逸話なども紹介はされていますが、この本の最大のテーマは「オリーブオイル業界がいかに偽装にまみれているか」という話です。訳しながら、もう驚くことやら腹が立つことがいっぱいでありましたが、同時にオリーブオイルの良さ、それだけでなく「本当においしくて身体にいいものを食べることのたいせつさ」を痛感しました。訳しながら「本物のエキストラバージン・オリーブオイル」を探し求めましたよ。本物を知ると、たしかにスーパーで1000円以下で売られているオリーブオイルのまずさがわかって食べられなくなりました。 翻訳の参考にするために「食の終焉」(ポール・ロバーツ著 ダイヤモンド社)を読んだのですが、この本も食のサプライチェーンがグローバル化によってゆがんでしまい、貧しい人、富める人関係なく、消費者は食の危機に瀕している、というノンフィクションで、読みながらぞーっとしました。 もともと食には関心が強いので、食にまつわるノンフィクションを読みながら「これでは土改良から始めて自分で作物を育てるしかないのではないか」とまで追いつめられた気持ちになってしまうのですが、そこまでやる時間も技能もまったくない現状としては、最低限「よく見極めて食材を購入する」「有機だの無農薬だの遺伝子組み換えなしだのという表示は一度疑ってかかる」「身体にいい、という情報にまどわされない(油脂は肥満の原因、健康に悪い、という「いい加減情報」に振り回されて、アメリカではかえって肥満が急増した)」「何事もほどほどを心がける」と心がけています。 米子には、今取材を進めているイランのトピックスの関係で、取材対象者であるダリア・アナビアンさんのおじいさまであるラヒム・アナビアンさんが生涯をかけてコレクションしていたペルシャ更紗のコレクションがおさめられているアジア博物館を見学に行きました。 一部、コレクションは見せていただいていたし、写真集も一通り見ていたのですが、実際にカシミアを使って、イランの植物や鉱物で染められて、精緻に織られ、刺繍された更紗を見ると、しばらく言葉を失うほどの感動がありました。ガラス越しの写真ではあまりわかっていただけないかもしれませんが、一部紹介します。 th_DSC01892.jpg このペルシャ更紗がイギリスに伝わって、かの地の産業革命を促した、とされています。勾玉の柄はペイズリーと呼ばれていますが、それは昔からこの地で織られてきた柄をペイズリーがまねてつくったことからそちらの名前が通称になった、とか。織物の繊細さもですが、彩りの華やかさにも目を奪われます。しかし、わざわざ米子まで来て、なんの説明もなく見させられても「ああきれいね」で終わってしまう。革命をかいくぐってなんとか残ったこのコレクションをいろいろな方に鑑賞していただきたいな、と心から思いました。 米子は日本一人口が少ない町だそうで、2時間かけてほぼ一周しても、人がいるのは高島屋などのデパートでちらほら、という程度。繁華街と言われる通りも4分の3の店のシャッターがおりていました。地方の低迷以上に、東京の一極集中に危機感すら覚えます。 天気が今ひとつではありましたが、中世の頃からの町並みが残っている掘り割りの通りを歩くのはそれなりに風情があって楽しいものでした。人にまったく会わないのにはまいったけれど(道を聞こうにも人がいない)。途中で出会った猫まで、声をかけるひまもなくそそくさと小走りに消えていきました。 th_DSC01946.jpg 帰りに観光の目玉、とも言える安来の足立美術館(庭園が有名)に行き、ようやく人の気配を感じてほっとするも、その行き帰りはけっして便利ではなく、1時間に1、2本のJRと、バスを乗り継いでいかねばなりません。バスの中からはいわゆる「里山」が広がり、それはそれで美しかったのですが、ここで暮らす人たちを「豊かな自然に恵まれた」というべきなのか、それとも「不便」とするのか、迷うところでした。食のサプライチェーンについて考えるうえで、地方と都市との関係を「是正」することなしには前に進まないような気がします。 th_DSC01980.jpg 最後に、飛行機に乗る前に運転手さんが「水木しげるさんの名所を案内してあげる」と言い、素直に従ったらゲゲゲの鬼太郎の衣装を着せられて、あちこちで写真を撮られまくりましたw 空港の鬼太郎の前で3枚撮影されてようやく解放。あたたかな心遣いに感謝です。 th_DSC02031.jpg
半月、わりに充実した日々を過ごしていましたが(ただ一つをのぞいては)、いきなりの猛暑に今日はややばて気味です。みなさんも、どうぞ体調にはお気をつけて。

 我が家にはまたもや外国人留学生が(2名も!)来ています。10代の女子高生たち。かわいくて、好奇心いっぱいで、元気もエネルギーもいっぱいいっぱい。日本語は今一つですが、それでも一生懸命挨拶はする。(挨拶さえも日本語でしない子たちもいるからね)

 もはや外国人ホームステイ、もしくは日本での定宿化している我が家です。 「ほんとに好きだっていうか、人がいいっていうか、断れないっていうか、よくやるよね」と周囲からまず100%の確率で呆れられています。数えたことはないが、この10年で老若男女合わせて10数カ国、30人くらい(もっとか?)に宿を貸している気がする。

 昨年は震災のために誰も来なかったことを考えると、今年はすでに3人も我が家で過ごしているのはある意味でとてもありがたく幸せなことに思います。私が元気で、お世話ができるっていうのも幸せなこと、と思わなくちゃね。そうでも思わなくちゃやってられないわーーーー(雄たけび)

 

 ご縁があって我が家に来た以上は、私の「もてなし」を受けなくてはなりません。私が言ったことにちゃんと返事をして、私がつくったものを食べて(少なくとも食べる努力はして)、私が行きなさいと言ったところに行くのは基本です。日本語での挨拶はもちろん、好き嫌いをはっきり言う(毎朝、ものすごく早起きして弁当つくっているのに、一口も食べないで黙って捨て(やがった)男子、おまえは許さん! 気がついたのが3日目だったので注意したら「冷たいごはんが食べられない」だとーーー!もっと早く言え!)、がんばって少しだけでも野菜を食べる努力をする(うちのごはんは9割が野菜。でも、野菜が食べられない人って世界中にいっぱいいるんだよね。トマト以外の野菜を一切食べなかったイタリア人もいたっけ)。そういう努力を私に認めてもらえれば、何かしらおまけのスペシャルサービスがあります。

 でもね、こうやってホスピタリティ満載でボランティアしているわけですが、なっかなか報われる気持ちにさせてくれるすてき留学生と出会うことはない。まあね、高校生ってむずかしい年代だし、視野が狭いし、ガキだし、マザコンだし、それはもう世界共通。ウチの子たちもそうでした。思春期ってほんとたいへんよね。他人の子どもたちだから、大目に見ていられるけれど、これが自分の子だったらと思うとぞっとする。

 さーて、そろそろ女子たちに昼飯つくらないと。

 

↑このページのトップヘ