Glamorous Life

グラマラスライフ 実川元子オフィシャルサイト おもしろい本、どきどきする試合や映画、わくわくする服に出会えたら最高に幸せ

読む快楽

おもしろかった本、ほかに3冊ほど。
『生物と無生物のあいだ』福岡伸一著 講談社現代新書
駅構内の書店に平積みされているベストセラーは基本的に読まない(読みたくない)のですが、その日、新幹線新大阪駅で「読む本がない!」ことに気づいて、時間がなかったので大急ぎで買ったのがこの本。
で、たーいへんにおもしろく、2時間あっという間でした。
分子生物学という、私には理解不能なはずの学問を、これだけおもしろく惹きつけて読ませる力量はたいしたもんだ。
生命とは何か?
生きていく、とはどういうことなのか?
それまで考えたことがなかった視点から「生」を考えるヒントを与えられました。
分子生物学を理解したかどうかはともかく、考え方として学ぶ点が多々ありました。

『越境のとき--一九六○年代と在日』鈴木道彦著 集英社新書
この日記にも書いたのですが(2007年6月7日付)、衝撃を受けた本の1冊でした。
フランス文学者で、プルーストの訳者である鈴木氏が、人生の大半にわたってかかわってきた在日の問題を語っていらっしゃいます。
「か かわる」とはどういうことなのか? という命題をつきつけられた本でした。そうか、「かかわる」の反対語は「逃げる」なんだ、と気づきました。「かかわ る」ことのたいせつさと、「逃げる」ことの卑怯さ。自分はそれがちゃんとわかっているのだろうか、としばし問いかけます。
読んでほしい本の一冊。

『ユルスナールの靴』須賀敦子著 河出書房文庫
マルグリット・ユルスナールの評伝ともエッセイともつかない本で、今年読み返した須賀氏の本(アントニオ・タブッキとナタリア・ギンスブルグの訳書もふくめて)のなかで、一番心を打った一冊。
この本を読んだのをきっかけにユルスナールの代表作で傑作『ハドリアヌス帝の回想』を読んでいるところです。

夕飯は肉じゃが、鶏ひき肉団子入り野菜スープ

ところで......がんばっているんだけrど、ぜんぜんやせないよっ!

 いよいよ12月です。
 早いなぁ(ため息)
 心のどこかで、生きることはひまをつぶすことである、などと不埒なことを考えているためか、時間が飛ぶように過ぎていくことにさほど抵抗はないのですが、それにしても1年が過ぎていくのが恐ろしく速くなっていくのには抵抗感があります。
 ふり返ってみて、今年、時間を忘れるほど夢中になって読みふけった本があるだろうかと考え、5冊くらいしかないことに愕然としました。
 5冊あればいいんでしょうけれどね。
 最近では『言葉の海へ』(高田宏 洋泉社)がおもしろかった。古い本の復刻版ですが。『言海』を完成させた大槻文彦の生涯をたどったドキュメンタリー。言葉と国語の関係を考えるうえで、示唆に富んだ本でした。
 『灯台守の話』(ジャネット・ウィンターソン著 岸本佐知子訳 白水社)も一気読み。読み終わってしばらく、自分がどこにいるかがわからなくなっていて、ぼんやり窓の外を眺めていました。いい小説を読んだっ! という満足感あり。英語でも読んでいたのですが、ちょっと私の解釈とちがっていたところがあって、英語を読み返して「ああ、そうだったのか」と納得しなおす訳文でした。
 あと3冊はベッドサイドにあるので、また明日。

夕飯は野菜たっぷりタイカレー、カリフラワーとトマトのサラダ。

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