観る極楽

映画はぴんときた作品だけ見ます。傑作でも大作でもなく、佳品と思える作品だけ。だからか、いつも人がまばらな映画館で、作品の世界にすっぽり包まれて過ごします。

いろいろストレスがたまることが多くて、思い切ってプールでひと泳ぎしたあとに、レイトショーで話題の「デトロイト・メタル・シティ」を見てきた。

人気マンガの映画化なのだが、もうマンガそのもの。

推薦してくださったノナカさん(主演の松山ケンイチにはまっているとか)がマンガも送ってくださったので1巻目だけまず読んだのだが、マンガそのまんまの映像じゃないですか!(お下品ギャグはデオドラントされているが)

映画のポイントは、おしゃれにあこがれる大分県出身の根岸崇一くんが、ステージにあがったとたん(というか衣装をつけたとたん)ヘビメタバンドのボーカル&ギターのクラウザー二世に変身しちゃうところである。テンションが変わる、そこがポイント。変わるたんびに爆笑した。

でもって、私としてのポイントは「あー、おしゃれっていまやギャグだったんだ!」ってところ。

ソウくんは「トウキョウにいって、おしゃれな部屋にすんで、おしゃれな服着て、おしゃれなポップスをうたって、おしゃれな女の子にモテたい」とかうきうきしているのだが、それを意図してうやっているすべてがダサイ。

でもって、彼がダサイと思っているヘビメタの衣装だと音楽が、実はオッシャレー(notおしゃれ)だってこと。

ソウくんとクラウザーさんとどっちがおしゃれかというと......いや、もうぜったいにクラウザーさんでしょう。クラウザーさん、かわいい!甘い恋人より、SATUGAIのほうがかっこいい。

おしゃれのギャグ化。DMC(デトロイト・メタル・シティ)のヒット以降、進みますね。って勝手な予言。シモキタ・モード系が一番ヤバイ。(ちなみに結構いっぱいシモキタの風景が出てきて、そこも私としてはツボだった。)

ま、それはともかく、ストレスが瞬間的にぱーっと吹き飛ぶ楽しい映画です。

なーんにも考えないで見られるからおすすめ。

 

『BOY A』

ジョン・クロウリー監督

マーク・オロウ脚本

ジョナサン・トリゲル原作

キャスト:

アンドリュー・ガーフィールド(ジャック)

ピーター・ミュラン(テリー)

ケイティ・リオンズ(ミシェル)

 

注:一部ネタバレ。

シネカノン試写室にて9月8日観賞。

安倍元首相は「失敗してもやり直せる社会に、そしてリスタートを応援する政治をしたい」(?言葉は不確か)と言った。

その「失敗」にはどこまでふくまれるのだろうか?

幼いときに残酷な殺人事件を犯し、14年間少年院と刑務所に服役していた少年が、名前も経歴もまったく別のものにして人生をやり直そうとイギリスの小さな町にやってきたところから映画は始まる。

保護観察官のテリーは、「過去はもう忘れろ。なかったことにしろ。きみにあるのは、現在と未来だけだ」と、ジャックとしてリスタートする男を励ます。

運送会社に勤めた男(ジャックとしておく)は26歳になっているが、思春期と青年期の前半を隔離された場所で過ごしてきたために、社会的経験が少ない。精神的に成長していない。もっと言えば幼い。

幼いときから、アル中の父親と病気の母親からまったくかまってもらえず、学校でも友だちも一人もいなかった彼にとって、ジャックとして飛び込んだ「社会」は、はじめて人からあたたかい言葉をかけてもらえる天国のような場所だった。友だちができ、恋人までできて、リスタートは驚くほどうまくいっているように見えた。

だが、過去をないものになんかできない。ジャックは過去から自由にされない。新しい人生が幸せなものであるほど、過去は彼を苦しめる。そして......

そのあとは映画を見てください。ぜひぜひ見てほしい。別に犯罪歴ほどすごい過去がある人だけではなく、消してしまいたい過去がある人にとっては誰でも重い問題を突きつけられるはずだから。

ジャック役のアンドリュー・ガーフィールドと、その恋人役のケイティ・リオンズがとてもいい。ベッドシーンに涙を誘われるなんて、はじめてだったかも。

小道具の使い方もうまい。

恋人からプレゼントされた財布。そこに刻まれた文字。

少年のころ、学校をさぼって川で釣りをするときに、釣り竿をつくるために使われたカッターナイフ。

交通事故にあった少女を助けるために使われたカッターナイフ。

そしてもう1本のカッターナイフは......

映像もふくめて、とてもいい作品だった。

隣に座った女性は、ハンカチをほほに押し当てて泣いてらっしゃいました。

20代、30代のころ、私の強烈な願望は「自立したい!」だった。

経済的自立、精神的自立、生活面での自立、あらゆる面での自立、ジリツ、independense......で、from what?

親から? 夫から? うーん、それがよくわからないまま「とにかく自立したい!」だったんだなあ。

肩肘はって、何もかも自分でやってみようと必死だった。

言ってみれば「ひとりでできるもん!」がやりたかったんだと思う。2歳児といっしょ。

いま振り返ってみると、あれは「マイブーム」(&社会的ブーム)だったらしい、とわかる。

何もあそこまでマナジリ決して、ひとりで何もかもがんばらなくてもよかったのにね。もう少し上手に「やって!」とお願いすればよかったのにね。

でも、マイ自立ブームのおかげで得られたこともある。

何よりも、働き続けるエネルギーを得られた。く、くるしい、と思っても、い、いやだ、と泣きたくなっても、とりあえず起き上がって目の前の仕事をする力は得られた。なぜなら「経済的に自立した私」が、そのときの私のアイデンティティ=依って立つべき位置だと思っていたから。

それと、生活の自立は自信を与えてくれた。家事ができる、というのは、健康や社会生活をおくる上での自信につながっていく。

でもこの年齢まで生きてくるとよくよくわかる。

完璧な自立なんてありえない。他人に依存することで、やっと生きていけるんだってことだ。そして、依存することをみっともない、情けないと恥じるなんておかしい、ということも。依存し、依存されるのがたぶんまっとうな生き方なんだと思う。

それに気づくことができたのも、マイ自立ブームがあったからこそ、なんだろうけれどね。

画像は、屈斜路湖近くのひまわり畑。市営のひまわり畑で、中の通路は迷路になっていて、クイズに答えると正しい道が示される、というゲームつき。

たとえば――

白と黒のブチの牛の毛を刈り取ると、皮膚はどうなっているでしょう?

1)肌色の皮膚

2)白黒のブチ

わかったかたは、コメント欄でどうぞ。答えは明日のブログで。

ひまわり.JPG

 

相変わらずマウスが15分以上握れないので、ノートパソコンで仕事をしています。

で、机の高さとかもあるかなと思って、食卓にノートPCを広げていることが多いです。

すると、突如として襲われる大音響。

ミーンミーンミーン......

ツクツクホーシ↑ツクツクホーシ↑ツクツクツクツクツク...ジッ

蝉です。

50センチほどのところにある網戸につかまって最後の雄たけび。

基本的に静かな部屋で集中しているので、眠っているときに耳元で目覚まし時計を鳴らされたかのような衝撃です。

なんで網戸に? ワケわかりません。

むこうもなぜ向こうから「ウルサイ!」と辞書を投げつけられるのか、ワケわからないでしょうが。

夕方、買い物とかジムに行くために歩いていると、蝉と虫の大合唱。いや、合唱というよりも意地の張り合い。

たいへんだよねー、みなさん。とそのときはなぜか余裕があります。

 

話変わって、きのう「アメトーク」というくだらない番組を見て、うかつにも爆笑してしまいました。

お笑い芸人が「イケていなかった中学生のころ」を語る、というのですが、中学生の男の子ってほんとに...アホ。話のうまさもあるんだろうけれど、その光景が目に浮かぶようで笑ってしまいました。

「手の血管が浮き出ているオンナは、もう経験済み」というとんでもないデマを信じて、うっかりとなりに座った女の子にいったら、ドつかれた。とか。目立ちたい一心で、文化祭の後片付けを一生懸命やって、なんでもかんでも燃やしたるわい、といったら「焼却炉の魔術師」とあだ名がついた、とか。

中学生の女の子もアホやけれど、中学生の男子はたぶんあらゆる人類のなかでもっともアホだと思う。

さて、9月。

仕切り直しはまずまずのスタートです。

夕飯は、肉じゃが、茄子の味噌汁...のはず。

NHKのプロフェッショナルで、今日、水泳コーチの平井伯昌氏が登場した。そう、北島康介と中村礼子のコーチだ。

思わず引き込まれて見て、ちょっと感動した。

水泳だけではないだろうが、ほんのわずかの時間にいかに集中力を高めて、一瞬の勝負に勝つか。

それは結局は自分との戦い、という月並みな話になるのだが、それ以上に私が感動したのは、オリンピックのその一瞬の勝負まで、選手の緊張をゆるめさせないやり方だ。

緊張は、ちょっとしたことですぐにゆるんでしまう。

かといって、ずっと同じ張り具合で緊張しっぱなしだと、疲れてしまって結局肝心なところでつぶれてしまう。

ある一定の緊張度を保ちつつ、ここ一番で緊張力をマックスにもっていくこと。

なんかね、私なんかのレベルじゃ失笑ものなんだけれど、参考になるところが多かった。

一度ゆるめた緊張はなかなか戻らない。戻るのに、エネルギーを要する。

疲れすぎず、ここぞというときにどのように緊張をマックスにもっていけるか。

一日のなかでも、一週間のなかでも、そのたいせつさを私もすごく感じている。

それと、同じ緊張感でいないことも。

仕事の緊張感と、プライベートの時間の緊張感を質のちがうものにすることもたいせつなんだなと。

緊張感をなくさないこと。

オリンピック選手と比べちゃいけないが、日常でもそれはたいせつなんじゃないか、なーんてことを恥ずかしげもなく私も思った。

いきなりだけど、今日の夕飯。

豚肉とナスとズッキーニとししとうの豆板醤炒め、鶏手羽先とこんにゃくと大根の山椒風味煮、さつまいもサラダ、ごはん

画像は北海道でとってきたの花、

やまあじさいyamaajisai.JPG
(というのだと思う...ちがうかな?)

やめる......

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また「総理大臣やーめた」ですってよ、奥さん。

やめる、という決意(?)の裏に何があるのかはわからないけれど、どうも福田さんや、その前の方もふくめて、安易なにおいがする。

総理大臣って、そんなに簡単に投げ出して(やめて)いい地位なのだろうか?

それにまた、やめていいタイミングと、ぜったいにやめちゃいけないタイミングっていうのもある。選挙のため? は~、ばーか言ってもらっちゃ困る。選挙に勝つために総理大臣をやめるって、本末転倒じゃない? 自民党が政権をとるために、総理大臣がいるんじゃないんだよ。

......

話は変わるけれど、私なんかの小者でも、つらかったり面倒くさくなると、すぐ逃げ出したくなって、「やめようか...」ともんもんとする。

仕事もだし、結婚生活もだし、人間関係もだ。

たしかに「それはやめるべき」ということはたくさんある。

逃げ出さないでとどまっていても、ロクなことにならない、ということも実は多い。

本当はすぐにもやめたほうがいいのに、やめないほうが面倒じゃないからずるずるつづけてしまう、ということもあるし。

でも、一方で、やめないで続けてこそ見えてくるものも多い。

歯をくいしばってやめないでいることで、果たせる責任もある。

罵倒され、「やめればー」と言われても、やめないほうがいいと自信があるときにはやめちゃいけないのだ。

だから、やめたい、と思ったときに私はいつも「やめていいこと」と「やめないでいいこと」を書き出して、多いほうを選ぶことにしている。

不思議なことに、どちらかが圧倒的なのですね。「やめていいこと」は即座に10書きだせるときには、「やめないでいいこと」は1つ書きだせるかどうか。その反対もしかり。

福田さんはどうだったのだろうか?

頭で考えていただけじゃだめなんだよね。

書き出してみないと、本当に進むべき道はわからない。

頭で考えているときには、ぐるぐるまわってから「気分」で結論が出てしまう。気分はとても重要だけれど、やめるやめないを決めるときには、「気持ち」だけじゃだめなんだ。

なんかむかむかした方は、知床のエゾシカでも見て気持ちをまぎらわせてください。

エゾシカ.JPG

空が広い、ということをしばらく忘れていました。

毎朝、洗濯物を干すときに見上げる東京の空とはあきらかにちがいます。

雲とか空とか、360度見渡せる場所では、人のメンタリティはいささかちがったものになるような気がします。

知床の秋の空です。

知床五湖空.JPG

もう一枚、知床の海と空です。

人間が身勝手なことをやっちゃいけない、といいたげに断崖絶壁が続きます。

共生とか、そういう概念は甘い、と痛感しました。

知床(1).JPG

道東のベリー

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hamanasu.JPG
red berry.JPG
北海道はもう秋の気配。じゃなくて、もう秋。

さまざまなベリーが見られました。

色鮮やかなベリーをいくつかアップ。

山ブドウ、ハマナス、姫リンゴ、木イチゴ、ナナカマドです。たぶん 。

PPTにまとめてみました。

北海道ベリー.ppt

新刊&セミナーのお知らせ

新刊 「サッカーと独裁者」

アフリカ13か国の
「紛争地帯」を行く
スティーヴ・ブルー
ムフィールド著
実川元子訳
白水社
英国人の著者は
2006年より特派員と
してケニアに在住。ア
フリカ25カ国を取材し
た。多くの宗教、部族
が共存する複雑なア
フリカ事情を理解する
手段として、著者はサ
ッカーを通して取材し、
有力者や市民たちから
多様な本音を聞き出す
ことに成功した。グロー
バル化と民主化運動に
よって生まれ変わろうと
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新刊 「MESH」

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リサ・ガンスキー著
実川元子訳
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ぐに出てこない。
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ソーシャル・ネットワー
クもふくめコミュニティ
のつきあいをたいせつ
にしたいと思う。
そういう人にはぜひ読
んでいただきたいのが
この本。
「モノ」より「つながり」、
「使い捨て」より「借りて
まかなう」それが私たち
の生活だけでなく、地球
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られ、未来に少しだけでも
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新刊 「菊とポケモン」

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実川元子訳
世界中で人気を集める日本
のアニメやマンガなどのポッ
ップカルチャー。その人気は
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米国民族学者が戦後から
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ラクターや玩具を歴史的に
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米国の大衆文化との比較
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新刊 「サッカーが勝ち取った自由」

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マービン・クローズ著
実川元子訳
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政策、アパルトヘイトが敷か
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された男たちは、生きるため
未来への希望をつなぐため
にサッカーリーグを結成する。
スポーツで自由を勝ち取った
男たちの知られざるノンフィク
ション。W杯のもう一つの真
実が見えてくる。

新刊 人はなぜSEXをするのか?

人はなぜSEXをするのか(小).jpg
「人はなぜSEXをするのか?」
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気鋭の進化生理学者が遺
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新刊 英国のダービーマッチ

英国のダービーマッチ(mini).jpg

「英国のダービーマッチ」
ダグラス・ビーティ著
サイモン・クーパー序文
実川元子訳
白水社
英国8都市のライバル関係に
あるサッカークラブ同士で行
なわれるダービーの歴史を背
景に、クラブや市の関係者、
サポーター、ファンから一
般市民のダービーに寄せる
思いを描きだす。ナショナル
ではかれない「ローカル」
の発想を知るうえでも
好著。
motoko
 人生でたいせつなものは本とサッカーと料理とファッションに教えてもらった、などと言ってみたいモノカキの日常

PROFILE

 職業はモノカキ/翻訳業。書いていきたいテーマは「女」「子ども」「衣食住」。得意技はなんでも一晩寝ると忘れること。
since2000.5.19.
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