「関西サッカー育成の現在地と未来」というタイトルの記事を昨日発売の『サッカー批評』に書きました。
ガンバサポにおなじみの上野山さん、鴨川さん、育成担当の二宮さんといった方々をはじめ、関西大学サッカー部の島岡監督(関西大学にはガンバユース出身者が大勢在籍しています)、一昨年の高校選手権で準優勝だった久御山高校の松本監督などに取材しました。
取材はほんとにおもしろかったです。ガンバユースや高校選手権を見てきて、これまで聞きたかったことが聞けて、しかも予想外の答えが返ってきて興味深かったです。
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あっという間に終わってしまった2011年シーズンでした。昨年末の日記を読み返したら「2011年もガンバはあまり大きな期待はできない」とか書いていましたが、ごめんなさい、ガンバはいいほうに私のそんなペシミスティックな予想を裏切ってくれました。震災の影響でJリーグ全体がモチベーションを保つのに苦労したシーズンだったのではないでしょうか? そんななかで地力を出したガンバだった、という印象を持っています。まあね、J2昇格即優勝の柏を前にして大きなことは言えませんが。
さて、今季のMVPとベストゴールです。
MVPは文句なしにイ・グノ選手です。これはもう誰も異存がないでしょう。チームNO1の15ゴールだけではありません。彼の前への推進力、パス回しで詰まったときのドリブルからの突破、ほかのFWや前目の選手へのフォロー、かぎりない運動量と献身的な守備、どれをとってもすばらしかった。最後の最後まで「グノがいるから、きっと今日も勝てる、そして優勝できる」と信じさせてくれた選手でした。イ・グノ選手、来年もガンバで活躍してほしいけれど、きっと韓国に帰るのでしょうね。残念です。でも青黒ユニのグノ選手のことは、ずっと忘れないよ。
私が選ぶベストゴールはVS柏戦、下平選手のJリーグ初ゴールです。この試合、正直私はガンバが大敗するんじゃないかと悲観していました。アドリアーノ選手が中東に行き、全体的に沈滞ムードが漂うガンバでしたが、この試合では若手が活躍してくれました。そして下平選手の「え? そこで撃つ?」というあのループ気味のゴール! スーパーなヤットさんがいなければガンバはもう勝てないんじゃないかと思われていたとき、あのゴールは「若手もやりますよ」と言ってくれたような気がしましたよ。
はっきり言って、ガンバの昇り調子できた一時代は終わり、来季からはたいへんな時期が始まりそうです。Jリーグ自体が厳しい戦国時代に突入かな。そんななかで、ガンバがこの10年間の西野体制で築いてきたものをどのような方向で発展させていけるか? 来季も覚悟を決めて、腹をくくって、応援していきたいです。
西野監督と契約更新しないと告げるときにもあたふたし、次期監督との契約でも迷走ぶりをさらけだしているガンバ大阪フロントさんには、一サポーターとしてはもはや何も言うことはありませぬ。チームを若返らせることもたしかに必要だと頭ではわかっています。だから橋本選手と高木選手の移籍は覚悟をしました。そこまではため息をつくくらいで終わったのですが、今朝知った山口智選手の千葉への移籍にはどっと気落ちしました。クラブの一時代が終わったってことを一番強く実感したな。
終わったことに関してあれこれ言っても始まりません。終わったことは終わったこと。
社長が言う「ガンバの新しいステージ」がどんなものなのかさっぱり見えてきませんが、なまあたたかく見守っていこう、と思っています。今のところ、「新しいガンバ」のプラス要素はあまりなくてどちらかと言えばマイナスなんだけれど、そうだね、超楽観主義なサポーター(私)がいるっていうのが最大のプラス要素かな。
そんな気持ちを晴らそうと、年末年始は高校サッカー選手権三昧な日々を送りたいです。
「争うは本意ならねど――ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美(ちゅ)らゴール」
木村元彦著
集英社インターナショナル
読みながら3回泣いた。紹介文を書こうと先ほどもう一度ざっと読みなおして、また涙がこみあげた。それくらい心が揺さぶられる本である。
ただし、涙を流したうちの1回の原因は怒りである。憤りと言ってもいい。一人のJリーガーに冤罪を負わせた人たちへの憤りだ。
そして冤罪をうやむやにしないで欲しいと願った浦和レッズ、仁賀ドクターが我那覇選手に出した手紙を読みながらこぼれた涙は、その勇気と心の温かさに対しての感動からだ。
最後にCASに訴えた我那覇選手を支えた「チーム我那覇」の皆さんが、「我那覇選手はシロ」と出たときに喜ばれるシーンでは「スポーツは、サッカーはまだ信じられる」という思いから安堵の涙がこぼれた。
この「事件」を知らない人のために説明すると、2007年川崎フロンターレ(当時)の我那覇選手は感冒から体調を崩し、練習後にチームドクターの診察をあおいで、ビタミンB1を入れた生理食塩水の点滴治療を受けた。そのころフロンターレはACLとJリーグの試合を過密日程気味にをこなしており、チーム内のレギュラー争いも激しかった我那覇選手は体調が思わしくないのを無理して練習し、試合に出ていたのだが、それも限界に来ていてやむなくこの治療を受けたのだという。
ところが、「風邪をひいたので点滴治療を受けた」とサンケイスポーツの記者に話したところ、翌日「我那覇 秘密兵器、にんにく注射でパワー全開」という見出しで記事が出てしまい、それを重く見たJリーグが「ドーピング違反だ」ということで本人やドクターの話を何も聞かないうちに「6試合の出場停止」という厳重処分を下した。
私はこのときの一連の記事を今でもはっきり覚えている。「にんにく注射って何? なんかあの我那覇選手とこういう記事は似合わないなあ」とかすかな違和感をおぼえていたら、あれよあれよという間に厳重処分。
その後、我那覇選手が個人としてCAS(スポーツ仲裁裁判所)に「ドーピング違反ではない」と訴えたことがニュースでも取り上げられ、涙をこぼしながら「子どもが大きくなったときに、お父さんがドーピングをしていたのかと思われたくない」と記者会見で訴える姿を見て、やっぱりおかしかった、という思いを強くした。そのことはこのブログでも書いた。その後私も、裁判費用(3400万円以上。我那覇が自己負担した)をまかなうために彼の仲間たちが起こした「ちんすこう基金」にわずかではあるけれど寄付したり、興味を持って成り行きを見守っており、そして案の定とも言うべき「シロ」の裁定が下ったときにはひそかに祝杯をあげた。
本書はそんな「冤罪」がなぜ起きたのか、経緯を念入りな取材で浮かび上がらせる。そしてJリーグのドクターたちが「この処分を見逃していたら、選手の怪我や病気の緊急時に治療ができなくなってしまう」という危機感から立ち上がり、「ドーピング規定」を明確にすることに尽力した姿が描かれる。冤罪の原因となったのが、浅はかとしか言いようがない名誉欲や権力欲からくる保身だ。それに対して「おかしい」と声をあげるドクターたちと我那覇選手自身の勇気と潔さが、よけいに際立つ。最初に「冤罪」の原因をつくった上に、詭弁を弄して非を認めない人々への憤りから歯ぎりしりをしていたのだが、読み進めるうちに「チーム我那覇」の皆さんの勇気とがんばりに温かいものがひたひたとこみあげてきた。
でも、憤りは消えない。Jリーグは罰金として川崎フロンターレに科した1000万円を一刻も早く返還すべきだし、関係者(サンケイスポーツの記者も含む)は全員我那覇選手と後藤ドクターに謝るのが人としての筋だと思う。組織が、形式が、規則が、とか言う前に、まず守らなくてはならないのは自分の身ではなく選手ではないだろうか。そもそも選手を大事にしない組織って何なんだろう?
2007年のあの記事のときからくすぶっていた疑問を、本書は見事に解き明かしてくれた。この本を勧めたらさっそく読んだサッカーファンからこんな感想をもらった。
「我那覇選手はJリーグを救いましたね。救われた方々はそれに気づいていないようですが」
我那覇選手だけではなく、この本を書いた木村元彦さんもJリーグと、そのファンと、そして日本のサッカーを救った、と思う。そのことに感謝したい。
まずは柏レイソルのみなさん、優勝おめでとうござます。
昇格1年目で優勝! チーム力、マネジメント、本当にすばらしい!
そして我がガンバは残念ながら3位に終わりました。前半あっさりと先制されたあと、イグノが一人気を吐いて同点に追いついたとき、すでに涙ぐみました。西野さんの胴上げでまた涙。帰りの新幹線でGメールを読んでまた涙。10年間に楽しく(ときに苦しい)冒険が終わったような気がしました。
と言いながら、ガンバが新しいステップに踏み出すのに負けてはならじと(苦笑......)私も次世代のサッカーを追いかけてみようと思っています。ネガっていては何も始まらない。終わったことを悔やんでいてはつぎのステップを踏む元気はわいてこない。始まる前から否定していてはいいことは一つもない。まずは前向きに考え、前向きに行動する。そういうわけで、今からまたもや大阪に取材です。興味深い話が聴けますように。
いろいろな思いが交錯していますが、泣いても笑っても明日はJリーグ最終戦。
この時点で優勝争いに加われている幸せを存分にかみしめて、清水に乗り込みたいと思っています。
どうか、悔いのない締めくくりを! 選手も、監督も、サポもね。
ガンバ大阪 1-0 ベガルタ仙台
得点者:イ・グノ(ガンバ)
ホーム最終戦だけは必ず観戦する、と決めて通いだして12年目になります。長いね、12年。西野監督が就任する前から、いや、万博スタジアムのゴール裏がまだ芝だったころの寒々としたスタジアムでも観戦しましたよ。最終戦だというのに(それとも優勝も降格もないというあいまいな順位で迎えることが多かった最終戦だったためか?)観客がまばらで、日が傾きつつあるスタジアムでは最後の挨拶を前に席を立つ人続出で、今のようにカメラを抱えて前列で黄色い歓声を上げる人など皆無。あー、今年もシーズンが終わっちゃったよ、という思いもあって、寂しさをひしひしと感じる光景を見てきました。
そんなことを思い出しながら、試合後に西野監督のあいさつを聞きました。しみじみ、10年間は本当に楽しかったな、監督ありがとうございます、と感謝の言葉しか見当たりません。あのうらさびしかったスタンドが、いまや選手の場内一周が終わっても満員で、最後の最後までチャントが続くなんて、これは監督のおかげです。
でも、正直言ってホーム最終戦ではここ数年、しらけた思いでスタジアムを後にすることが続いていました。ホーム最終戦でもっとも興奮したのは2006年、VS京都戦。マグノ・アウベスがロスタイムにゴールして勝利したおかげで、最終戦となったVS浦和戦に「奇跡の逆転」を信じて乗り込むことができた試合でした。あの試合、雨が土砂降りでものすごく寒く、勝利を信じてはめていたガンバカラーの手袋が色落ちして色落ちして服がブルーに染まり、帰りに手袋を捨てた記憶があります。寒さと興奮でふるえながら手袋を外し、真っ青に染まった手と服を見て泣き笑いしながら「浦和で会いましょう!」とみなさんとハイタッチしました。あのときの最終戦が一番楽しかったな......(遠い目)
それに比較すると今回のホーム最終戦は、相変わらずの弱体守備にはらはらすることはあっても、攻めて攻めてというガンバらしいサッカーから湧き出るわくわく感はとぼしかったです。試合の内容も、勝ったからいいとはいうものの、ほめられたものではなかった。2006年に比較すると、ミラクルの2乗を信じなくてはならない状況ではありますが、それを起こすためにはこの1週間で(もう5日間か)相当な何かが起きなくてはならないでしょう。
とは言いつつ、サポの性(さが)で、私は信じていますけれどね。
西野監督の10年に感謝をこめて、最後に大きな美しい花を開かせてください。もちろん私は静岡に行きます。
新潟戦で負けて引き分けて(→失礼しました。すっかり負けた気分でおりましたw)、優勝の可能性がほぼなくなったところで、西野監督の去就問題が一気に浮上して報道大騒ぎです。
シーズンが終わっていないのに、次期監督の名前まであがってほんとにいやだ。こういう話は「雑音」として耳をふさいでいたいところだけれど、やはり心が乱されます。
去年、ずっと負けが続いたときにもメディアでは「なぜ西野監督交代の話が出ないのか?」とうるさかったのですが、そのとき「外野、うるさいっ! サポの私は西野監督を支持するからねっ!」とか書いた記憶があります。あのときはクラブ側(社長)が「全面的に西野監督を信頼している」と言って嵐はおさまりました。
でも、今回はどうもクラブ側から嵐をおこしているらしい。これだけお世話になり、ガンバが今もJ1にいられて、しかも優勝争いをしているチームにした一番の功労者は西野監督だということを忘れたら、孔子様もお怒りですぞ。くれぐれも失礼なことをしないでほしいと祈らんばかりです。ガンバで最高の監督であるだけでなく、日本一の日本人監督であることはまちがいないのですから、尊敬の気持ちははっきり出してほしい。ガンバはそんな失礼なクラブではないと信じていたのに、メディアから聞こえてくる話は残念でなりません。
ただ、今、ガンバ(だけでなくJリーグそのもの)が大きな曲がり角に来ているのはまちがいがありません。時代の変化に対応できなければ、取り残されるばかり。今大きく変化への舵を切らないといけない、という危機感は絶対に必要なんだと思います。その対応策が監督交代なのかどうかはさておき。
今年だけでなく、ここ数年のJリーグを見ていて強く感じることが二つ。
一つは、ACLの位置づけです。欧州チャンピオンズリーグのように、賞金額が大きく、クラブとしての位置づけもはっきりしているならばCLは出場するだけでも大きな意味があるでしょう。でも、ACLはクラブもチームも疲弊させて、負担の大きさの割に得るものが少なすぎる。アジアは広いから移動もたいへんだし、しかもJリーグと並行できるだけの選手層があるチームは今のJにはない。2007年にACL優勝をはたした浦和くらい選手層が厚かったチームでさえも、最後の最後でリーグ優勝をACLに出ていなかった鹿島にさらわれました。2008年ACL優勝のガンバはリーグは8位と低迷し、天皇杯でようやく次年度のACL出場権を獲得し、2009年もリーグ戦前半はぼろぼろでした。また2010年に出場した広島(昇格後のシーズンで大活躍)も、今年2011年に出場したセレッソ(同じく昇格後で大活躍。今年もレイソルもですが、昇格チームは対応策をとられないことと勢いがあるから善戦しますね)も、リーグは低迷しています。浦和の方にはよけいなお世話なことを言ってしまうと、今年浦和が降格争いをするまでになった遠因(というかむしろ直接的原因?)の一つは、ACLでチームとして疲弊しきってしまったことがあると思います。今年も昇格したばかりの柏レイソルがリーグ首位に立っているのは、もちろんレイソルの実力と勢いを疑うものでないにせよ、名古屋やガンバをはじめ、ACL常連組が疲弊しちゃっているせいもあると思います。
私はACL後遺症と呼んでいるのですが、後遺症がJリーグ全体に与える影響は見逃せないくらい大きくなっています。選手が「ACL出場が目標です」とか言うのを聞くたびに「いやいや、そんな甘いもんやおまへんで」と言いたくなる、という私もたぶんACL後遺症なんでしょう。
JリーグはこのあたりでぜひACLの位置づけを見直し、スケジュールやレギュレーションを考え直してほしい。このままでいけば、Jリーグはどんどんレベルが低下しかねない。有望な若手がどんどん海外に移籍して、そうでなくても見ごたえのある試合が減ってきているというのに、Jリーグでへろへろの試合をしているようではその魅力がますます失われてしまうのではないかと本当に心配です。
二つ目はスタイルを強く意識するあまりの戦術のマンネリ化です。成功体験があると「これが我がチームのスタイル」となります。ガンバでいえば、2005年にリーグ優勝したときの「攻撃サッカー」をスタイルとして標榜し、いまだに貫こうとしています。ポゼッションを高めて、パスを回し、失点しも相手よりも多くの得点を奪って勝つ、それがガンバスタイル......らしい。でも、スタイルを貫いてそれでもっと成功したいっていうのだったら、戦術はどんどん変化させていかなくてはならないのだと思います。チームは生き物です。選手も取り巻く状況も対戦相手もどんどん変わる。それなのに、2005年と同じことをやっていたのでは、そりゃ勝ちきれませんって。
でも、これはガンバだけではありません。Jリーグができて20年もたとうというのですから、どうしてもチームのスタイルというのはできてしまいます。当然、他チームは対応策をとって、スタイルのよさをつぶし、弱点をついてこようとします。それでもなおかつ勝つためには、戦術によって打開するしかない。いかにスタイルを貫いて、戦術を変化させて戦うか。そこは監督や選手だけでなく、クラブの運営姿勢っていうのもかかわってくるのでしょうね。で、言いたいことを言っちゃうと、それができているクラブは今のJには見当たらない。かろうじて鹿島(とガンバ)がそうかな、と思っていたのですが、去年あたりから戦術がマンネリ化してしまって悪循環しているみたいに思えます。
Jリーグの魅力を高めるには、スタイルを理解しながら柔軟な戦術マインドを持った監督とスタッフが必要なんじゃないでしょうか。はい、ど素人のサポの意見ですけれどね。
でもって、ひいき目たっぷりではありますが、それができる監督として一番近いところにいるのは西野さんだと思うんですよね。クラブ側もよく考えてほしいです。角を曲がったところにあるのが栄光へと続く道か、それとも一歩踏み出せば奈落の底っていう崖っぷちなのか、それを決めるのは監督選びにかかっていますよ。
アルビレックス新潟 2-2 ガンバ大阪
得点者:三門、(外国人なんだけれど、あとで確認します。ブルーノロペスかミシェウ)
川西(ガンバ)
いろいろな意味で一つの区切り、というか、「ああ、ガンバはつぎの時代に行くんだな」と思わせた試合でした。
一つは、メンバーを新陳代謝させていかねば、もうACLを含めてあまりにも多い試合数をこなしていくのはむずかしくなった、ということをあらためて認識させたことです。きのうのガンバは優勝争いをしている真っ只中なのに、厳しい試合を戦うには、あまりにもコンディションが悪い何人かの選手を先発せざるを得なかったこと、そしてそういった選手が結局はミスの連続でチームの足を引っ張ってしまったのを見ていて、チームの新陳代謝がないかぎり、かなり厳しいことになるな、と思いました。ベテランの経験値やうまさだけでは勝ちきれない。かといって若手選手の勢いだけでもどうしようもない。技術的、能力的にどれだけすばらしい選手がいても、メンタルもふくめてコンディションが悪ければ、チームは機能しないんです。甲府戦、名古屋戦、ナビスコ準決勝、天皇杯3回戦、そしてきのうの新潟戦も含めて、大事なところでミスだらけの試合をしてしまうことを、単に「メンタルが弱い」とか抽象的なことを言ってうやむやにしたり、「監督(選手)が悪い」と個人に責任を負わしてそれを切ってしまうことにするのではいけない。いかにチームを新陳代謝させていくか。ACLに出場し、中心に日本代表選手がいるチームはそれを真剣に考えなくてはいけない時期にきています。世代交代すればいいってもんじゃない。チーム全体として、いかに新陳代謝させながらシーズンを乗り切っていくか。そのかじ取りができるのは、監督だけでなくクラブ全体で考えることじゃないでしょうか。
その新陳代謝のいい例が、きのうの川西選手(そしてここ数試合の藤春選手)でした。たぶんベンチから見ていて、自分に何ができるか、どうすればこの重苦しさを打ち破れるかを彼は考えていたんじゃないかと思います。1点目も2点目も、それまでのガンバにはまったく見られなかった思い切りの良さが際立つシュートでした。しかもあせらずに落ち着いていた。すばらしい。今季、というのではなく、ガンバのこれから進む道を示したような得点でした。つまり誰か一人か二人に頼るのではなく、みんなでつないで、みんなでゴール。アドリアーノ選手と宇佐美選手が抜けたあとに、個人に頼らずそれができていたはずなのに、いつのまにかラフィーニャ選手とイグノ選手の個人能力だけに頼って、中盤での早いパス回しなんてまったくなくなってしまったガンバ。本来のスタイルができなくなった理由は、遠藤選手のコンディション不良も大きいのだけれど、それ以上に一本のパスでなんとかしようとする怠慢サッカーに全員が固執しちゃったためだと思います。川西選手(それと前半の藤春選手も)は豊富な運動量で押し込んで押し込んでシュートを放つ、という「新しい得点スタイル」という血液を注入した。それが新陳代謝じゃないでしょうか。
二つ目に、守備力があるチームを目指さなければタイトルはとれない、ということです。得点力と守備力はバランスがとれていなくてはならないのに、今のガンバはあまりにもいびつです。安定した守備力が維持できるチームにするには何をすればいいのか。前からのプレッシングだけでは限界があるどころか、得点力にも影響を及ぼします。攻撃に転じるスピードが速くなる守備、というのをたぶん西野監督は重視しているのでしょうが、それだけでは限界があることがここ数シーズンではっきりしてきたのではないでしょうか。今の選手を替えろ、とかいうことではなく、守備とはこうやってやるものだ、ということを一からたたきこんでくれるようなコーチが必要なんじゃないかとここ数試合でつくづく思いました。おもしろいサッカーをするのは大賛成。でも、守備力があがらないかぎり、タイトルは無理だし、守備力をあげてもきっとおもしろいサッカーはできるはずです。たぶん、ガンバは守備をあらためて見直す段階に入っている、と信じたいです。(せめてCKやFKのときに「あー失点するー」という予感を抱かせ、しかもそれが50%の割合であたってしまう、という守備力はどうにかしてください。これはもう3年書き続けているけれど)
新潟の2点目が入ったとき、ああ、これで今年も無冠に終わったか、と正直思ったのですが、川西選手の2ゴールで少し救われました。だから、もう終わったなんて言わせませんし、言いませんよ。最後の最後まで応援するからね。
(追加:一緒に観戦した同志が「こういうときこそヤットがなんとかしてくれる」といっていたのですが、その願望はKO後5分で打ち砕かれてしまいました。しかもヤットがボールを持つと奪われて大ピンチの連続。きのうはセットプレイのキッカーをつとめていましたが、たぶん調子が悪いせいかミスキックばかり。パスも強いボールが蹴れないためにカットされてまたまた大ピンチ。これはもう横浜戦の時から言い続けているのだけれど、優勝争いをしているときでもヤットをはずす英断ができるくらいのチームになってほしいです。それはきっと来季にはできる、と私は信じています)
名古屋戦の敗戦でずどんと落ち込んでしまったので、しばらくガンバのことは忘れる旅(文字どおりの意味でも比喩的な意味でも)に出ておりました。
山形戦は仕事でTVも含めて観戦できず、その後沖縄に行ったり仕事が押していたために1週間後に録画でようやく観ました。なので感想が書けないまま今にいたっております。録画観たかぎりで、私のMOMはイグノ選手。いやー、もしガンバがアレしたら、年間MVPはまちがいなく彼だな。得点だけでなく、いろんなことがすばらしい。それでいて、この1年でずいぶんとパワーアップした感じがします。
鹿島戦は現地観戦。数ヶ月前に早割で飛行機を押さえたとき、KO時間を勘違いしてしまったためにスタジアム到着はKO寸前。超満員でしたが、なんとか座れました。ありがとうございます、とひそかに御礼。イベントが盛りだくさんだったためか、飛び石連休だったためか、それともガンバがゆ☆☆☆う争いをしているおかげか、今季最多の2万人超え。そんなときにかぎってぎりぎり飛び込むとはね。
試合は前半がなんとももどかしい展開で、鹿島に押されっぱなし。シュートらしいシュートがないままに終わってしまいHTに頭を抱えました。後ろに座った女性サポの方がものすごく冷静かつ的確なコメントをしていらして、もうそれを聞いているだけで見えないところまで見えてしまうほど。あとでTVの解説を聞きましたが、解説者よりも彼女が言っているほうがあたっていました。彼女曰く「ライン際で勝負させたら藤ヶ谷は強いねん。2メートルくらいのところからのシュートやったらどないかなるんや。そういうシュートを撃たれているかぎりは安心なんやけれど、2メートルを50センチも出たところからやったらヤバイ。大迫のバーにあたったシュートなんか、5メートルも前から撃ってきよったから藤ヶ谷は見送ってたやん。でもフェリペガブリエルのあのシュートはヤバイといってもラインから1メートルも離れてないやろ。あれなら大丈夫や」。なーるほど、納得。でもって、鹿島が藤ヶ谷防御可能圏内のシュートしか撃たなければ安心してよしなんや、ともぐもぐサンドイッチを食べながら後半KOを待ちました。
後半、右SBに加地選手が入り、武井選手が前目のMFになったことでぐっと攻撃が厚みを増し、チャンスらしいチャンスが生まれ始めます。それでも鹿島に攻められていたのですが、野沢選手(鹿島)のCKのボールをキャッチした藤ヶ谷選手が冷静に、かつすばやく右方向の明神選手にパス、明神選手から真中を走っていた武井選手にパス、武井選手が左サイドを疾走する藤春選手にパスし、それを藤春選手がすばやく中を見て、角度といい、スピードといい、完璧なクロスをあげたところに、ラフィーニャ選手がずどんとヘディング!!!!! CKからGOALまで、1分30秒もかからないほどのカウンター速攻でした。
その後鹿島の選手が1人退場になったのですが、守備は最後まではらはら。でも、後ろの女性解説者(笑)が「今日は智(山口選手)と藤ヶ谷が安定している」と言ってくれたので、ちょっとほっとしました。。それに明神さんが目立たないので、まあたぶん守備も安定しているのだろう、と自分に言い聞かせます。ヤットは後半にはほぼ消えてしまったし(→それは別に安心材料ではないが)。ガンバが得点後、パワーアップして攻め立て、それが終わった70分過ぎから両チームとも中盤はすかすかになり、ガンバはもっぱらカウンターのみで攻撃を終始しました。4分あったロスタイムも無事終了し、最後はワニナレナニワ。優勝戦線になんとか残りました。
さて、巷のガンバサポの間では「遠藤選手のコンディション」が話題になっています。最悪のゲーム内容だった名古屋戦後に発熱し(やっぱりなー、あの走らなさや、ボール取られまくりで、ぼんやりしている様子は普通じゃなかったよ、ヤットさん)、山形戦は欠場して休養したはずの遠藤選手ですが、鹿島戦を見る限り、トップパフォーマンスにはほど遠いプレイに終始していました。どんなときもヤットはヤットで、本当にすばらしい選手だと思うのですが、昨年からオフなしでここまで来ていることによるコンディション不良は否めません。横浜FM戦の引き分け、甲府戦の敗戦、名古屋戦の敗戦は、もちろんチーム全体の状態の悪さによるものではあるとわかっています。でもあえて言わせてもらうと、ヤットの存在があまりにも大きいからこそ、彼のコンディションの悪さがチーム全体の足を引っ張ってしまったことを浮き彫りにした試合でした。鹿島戦でも、前半にヤットがボールをさわる機会が多いと攻撃がまったりとしてなんとも手詰まりになっていたのが、後半に武井選手が縦に早いボールを入れるようになるとがぜんシュート数が増えて活性化したのを見たとき、コンディション不良の大黒柱が出場することによる弊害ってあるのだなあ、と思いました。西野監督は鹿島戦後に「遠藤のコンディションを気遣う」という発言をし、暗に残り3試合を外すかもしれない、と示唆していますが、3試合全部はともかく、代表戦から帰ってきた新潟戦は外したほうがチームのためなんではないでしょうか。
それと、クラブで調子が悪いのに、代表の遠征に行くのはいかがなものか、みたいなことを言う人たちもいますが、それはちがうと思います。いつも顔を合わせてチーム作りができるクラブでは、遠藤選手がいないならいないでなんとか準備もできるでしょうが、選手たちがたまに短期間しか一緒にプレイできない代表では、遠藤選手のようなベテランが入るか入らないかでは大違いです。ましてやアウェイのワールドカップ予選だしね。遠藤選手、たいへんでしょうが、タジキスタンと北朝鮮でしっかり戦ってきてください。ガンバは大丈夫。あなた抜きでも大丈夫なように、きっと西野監督が若手をびしばし鍛えますって。とりあえず期待しているのは(武井、藤春、下平のレギュラー陣は別にして)、大塚選手、川西選手、きみたちだ! がんばれ!



